【シメ】

 映画『月のひつじ』(豪)を見た。

 アポロ11号が月面着陸する際、南半球時のメインアンテナを務めたパークスという街にある大パラボラの話。

 このパークス、人より羊が多い。
 むしろ、村だ。


 施設は、南半球最大というが、技師は三人しか居ない。
 ついでに言えば、ガードマンも頼りないのが一人きりだ。


 その村がNASAと直接契約し、様々な困難に襲われながらも、遂には月への第一歩を中継するのだが、映画としては少々甘い。

 甘いが、当時の熱気、小説以上に波乱万丈な史実、そして、この一言で、私はこの映画が気に入った。

 小生意気な小娘が、月のことなんてほとんど分かってるのに、なんで行かなくちゃいけないのと、NASAのおじさんに噛みついた時、パークスのパラボラ責任者がこう返した。

「ただひとつだけ、まだ分からないことがあります。

  それは、月に到達出来るかどうかです」
(うろ覚えスマソ)


 スゴク奥が深いと思う、この一語。
 プラネテスもそうだったけど、宇宙関係の仕事の方は、こういう視点の持ち主ばかりなのだろうか。
 もし、そうなら、それはとても素晴らしい事だと思う。